血の絆:サリー・マン/Blood Ties: The life and work of Sally Mann 
母親が撮る子供のヌード写真の美しさと是非を問う問題作

◆生まれ育ったアメリカ・ヴァージニア州で家族とともに田園生活を送りながら、自分の3人の子供たちを被写体に写真を撮り始めたサリー・マン。美しく、透明感あふれる独特のモノクローム写真は、この世のどこでもない孤高の時空を感じさせ、世界的に高い人気と評価を得ている。
◆しかし、彼女の写真の多くが子供たちのヌードや怪我をした姿をとらえたものであったことから、アメリカでは超保守的なファンダメンタリスト(キリスト教原理主義者)に幼児虐待ポルノだと激しく非難されたことで話題になった。
◆本作品にはサリー・マンを糾弾する側と擁護する側の双方が登場する。そして、そんな論争の全てを超越したかのような、エメット、ジェシー、ヴァージニアという強く美しい子供たちとマン夫婦による自然体の日常生活が描かれている。
◆彼女の写真を芸術作品として見れば、この非常にアメリカ的な論争自体が馬鹿々しいと思うことは簡単だ。しかし、サリー・マン自身が、親としては自らの手による検閲について考えざるを得ない、と語るなど、改めて芸術とは、表現の自由とは何かについて考えさせられる秀作ドキュメンタリーである。

監督=スティーヴン・カンター/ピーター・スパイラー
撮影=ピーター・スパイラー
製作=Moving Target Productions

☆1993年アカデミー賞 短編ドキュメンタリー部門ノミネート作品

1992年/アメリカ映画/32分/カラー/モノラル
日本語字幕 Original dialogue in English