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恋の風景
恋の風景
監督:キャロル・ライ
出演:カリーナ・ラム、リィウ・イエ、イーキン・チェン
2003年/香港+中国+日本+フランス合作/105分/カラー/ヴィスタサイズ(1:1.85)
ずっと一緒だと思っていた恋人の死――
きっと忘れることはできない
だからもっと生きていく…

病死した恋人サムが遺した一枚の絵。そこに描かれた風景を求めて、マンは青島へやってくる。サムの日記を1日ずつ書き写しながら、冬の青島で恋人の風景を探し求めるマン。やがて郵便配達をしながら絵本作家を目指すシャオリエに出会い、彼の優しさに気持ちが揺さぶられていく。しかし彼女は、サムへの思いが徐々に自分の中から失われていくことに動揺し、過去の思いの中に生きようとする。新たな人生を踏み出せぬまま、季節の変わり目をむかえるマン。しかし愛はゆるやかに、おだやかに、傷痕が残るその心を繕っていく…。
 運命の恋だった。それなのに神様は気まぐれで、愛する人を奪っていく。でも人はもう一度、それぞれの“恋の風景”に出会うことができる。ふたたび生き抜いていくために――。

“恋の風景”――
それは誰もが心のなかに持っている風景

恋人との死別――。それは友人でも家族でもなく、その関係がもともと不確かで、あやうく、そしてはかない関係であるがゆえに、死にもたらす深く暗く茫洋と広がる闇が、光を見出すことはない。それが起こった瞬間から立ち行かなくなってしまったひとりの女性。そして過去に思いを馳せることだけが唯一彼女に残された、逝ってしまった彼との確かな絆。人はそんな絶望の思いのなかで、失った人生をもう一度同じ愛で取り戻すことができるのだろうか。あなたでもあり、わたしでもありうるこの女性の存在を通して、苦悩のうちに、ほのかな暖かい光を人は見つけることができるのだろうか。
 光と闇。喪失と再生。重さと軽さ。愛の痛み、あるいは悦び。人生に流れてゆくそれらすべてこそが、生きることそのものであることを、愛の可能性をもって描いたラブ・ストーリーが誕生した。

台湾の絵本作家・ジミー(幾米)作品、
初のアニメーション
その美しくも孤独な世界観の見事な映像化――

特にこの作品で注目されるのは、監督のキャロル・ライたっての希望で、台湾の人気絵本作家ジミー(幾米)の作品が使われていることである。ジミーは、一見ペイネを思わせるロマンティックな作風が特徴だが、白血病で死を意識したことをきっかけに創作活動に入ったというだけあって、その作品には、常に“喪失”の感情を内包させた“再生”への美しい祈りが込められている。とくに99年に発表した「君のいる場所」は世界各国で数多くの熱狂的なファンを獲得しており、金城武主演『ターンレフト ターンライト』の原作になった。最近では、絵本「地下鉄」がウォン・カーウァイ製作、トニー・レオン主演で映画化されるなど、今や才能ある映画人の創作意欲を限りなく刺激する存在となっている。『恋の風景』ではラストシーン、ジミーが描きおろした10枚の作画を元に、初のアニメーション化がなされた。同時のこの映画そのものがジミーの原作であるかのような世界観を持ち、ジミーのモチーフでもある美しい孤独の風景を内包した作品であるといえよう。

アジアの才能の見事なコラボレーション

主役のマンを演じるのは『男人四十』『カルマ』などのカリーナ・ラム。シャオリエに扮したのは、大ヒット作『山の郵便配達』や『小さな中国のお針子』のリィウ・イェ。そして回想シーンに登場するサムを演じたのはのは、今アジアでもっとも注目を浴びているイーキン・チェン。監督は『金魚のしずく』のキャロル・ライ。前作と同様“追憶”と“彷徨”をテーマに見事な世界観を見せつけている。また本作で香港アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した『恋する天使』『不夜城』などを手がけたアーサー・ウォンが撮影監督として名を連ね、やはりキャロル・ライの積年の希望で実現した梅林茂(『それから』『花様年華』『LOVERS』『2046』など)の音楽も、喪失と再生の感情を美しい旋律で表現している。
製作:Filmko Entertainment+NHK/協力:NHKエンタープライズ21
配給:テレシス インターナショナル+ユーロスペース

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