エリック・ロメール追悼特集上映 アデュー ロメール
エリック・ロメール。本名ジャン=マリー・モーリス・シェレール。1920年4月4日フランス中部チュール生まれ。高校の古典教師だったシェレールが主宰したシネクラブにはトリュフォーやゴダール、リヴェットといった若者たちが参加、それは後にヌーヴェルヴァーグへと発展していきました。1959年長篇デビュー作『獅子座』を監督。以降半世紀にわたってヌーヴェルヴァーグの最長老監督として瑞々しい作品を発表し続けました。
2010年1月11日、エリック・ロメール死去。享年89歳。その長年の映画人生に敬意を表し、長編全作品を上映いたします。
■上映作品
『獅子座』
(1959年/フランス/35mm/モノクロ/100分)
脚本:エリック・ロメール/撮影:ニコラ・エイエ/出演:ジェス・アーン、ファン・ドゥーデ
長篇第一作にしてヌーヴェル・ヴァーグの記念碑的作品。気ままに暮らす自称作曲家ピエールのもとに莫大な遺産相続の知らせが届く。さっそく仲間を呼んでパーティを楽しむが、誤報とわかりあっという間に一文無しに。ヴァカンスのパリを彷徨う孤独な男の運命は…。
『六つの教訓物語第一話 モンソーのパン屋の女の子』
1962年/フランス/16mm→35mm/モノクロ/26分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ジャン=ミシェル・ムリス、ブリュノ・バルベ/出演:バルベ・シュレデール、フレッド・ユンク
法学生の青年はあこがれのブロンド娘の気をうまくひけない。行きつけのパン屋の娘と顔見知りになるにつれて、今度はパン屋の娘の気をひこうとする。
『六つの教訓物語第二話 シュザンヌの生き方』
1963年/フランス/16mm→35mm/モノクロ/52分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ダニエル・ラカンブル/出演:カトリーヌ・セー、フィリップ・ブーザン
カフェで休む大学生ベルトランとギョームの隣にシュザンヌという女の子が座る。ギョームはさっそく彼女に声をかけはじめ、ベルトランはそんな彼をうらやましく思った。第一話、第二話はともに低予算の小品ながら<六つの教訓話>の原型といえる。
『六つの教訓物語第三話 モード家の一夜』
1968年/フランス/35mm/モノクロ/110分 *デジタル上映
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:ジャン=ルイ・トランティニアン、フランソワーズ・ファビアン
ロメールの初期代表作。エンジニアの「私」は教会のミサで見かけたフランソワーズが自分の妻になると直感する。だがその数日後、旧友の友人モードの家に泊まるはめになった「私」はモードから誘惑され…。冬のクレルモン=フェランを舞台に、哲学的な会話をからめて展開される恋愛心理劇。
『六つの教訓物語第四話 コレクションする女』
1966年/フランス/35mm/カラー/90分 *デジタル上映
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストル・アルメンドロス/出演:パトリック・ボーショー、アイデ・ポリトフ
偶然出会った少女アイデ(本人役で出演)の強烈な個性から着想を得たロメールの出世作。画廊を開こうとしているアドリアンは恋人の誘いを断わり、商談のため友人のサン=トロペの別荘に滞在することにする。そこには若い女性アイデがいた。奔放なアイデの存在は彼の心を乱してゆく。
『六つの教訓物語第五話 クレールの膝』
1970年/フランス/35mm/カラー/105分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:ジャン=クロード・ブリアリ、オーロラ・コルニュ
アヌシー湖畔のリゾート地。結婚を間近にひかえた35歳の外交官ジェロームは、ふたりの少女、ローラとクレールに出会い、いつしかクレールの形のよい膝に執着するように…。自己分析的な連作にあって主人公の男までも客観視された異色作。眩しい夏の光をとらえた撮影が素晴らしい。
『六つの教訓物語第六話 愛の昼下がり』
1972年/フランス/35mm/カラー/98分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:ベルナール・ヴェルレー、ズズ
法律相談所を経営するフレデリックは美しい妻とかわいい子供に恵まれ、何ひとつ不自由のない生活を送っていた。だが、安定した生活に物足りなさを感じていた彼は、クロエという女性と頻繁に会うようになる。連作中、初めて妻子持ちの男性を主人公にした、優柔不断な男の恋愛喜劇。
『O侯爵夫人』
1975年/フランス/35mm/マンカラー/107分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:エーディト・クレヴァー、ブルーノ・ガンツ
フランス革命直後のイタリア北部。覚えのない妊娠をしたO侯爵夫人が子供の父親になる人を求める広告を掲載した。古典文学に造詣の深いロメールがクライストの小説をそのまま「脚本」として挑んだ、監督異色のコスチューム・プレイ。
『聖杯伝説』
1978年/フランス/35mm/カラー/134分 *デジタル上映
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:ファブリス・ルキーニ、アンドレ・デュソリエ
フランス中世最大の韻文物語作家クレチアン・ド・トロワによる騎士物語を、中世風解釈で大胆に再現した奇想天外なファンタジー大作。中世細密画の様式美を再現するため、例外的に撮影所で大規模な撮影が行なわれた。
『喜劇と格言劇集 飛行士の妻』
1980年/フランス/16mm→35mm/カラー/107分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ベルナール・リュティック/出演:フィリップ・マルロー、マリー・リヴィエール
法学生のフランソワは年上のアンヌを執拗に追いかけるが、彼女は不倫相手のパイロットに未練がある。年下の女の子リュシーと出会い気持ちが傾きかけるが…。2人の女性の間で揺れる青年の恋の顛末を、16ミリと即興的演出でみずみずしく描いた快作。
『喜劇と格言劇集 美しき結婚』
1981年/フランス/35mm/カラー/100分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ベルナール・リュティック/出演:ベアトリス・ロマン、アンドレ・デュソリエ
自分なりの生活スタイルを持ち、郊外のル・マンからパリ第一大学へ通うサビーヌ。愛人関係にあった画家との関係をすっぱり清算した彼女は一転、安定した結婚を手に入れようと、従兄から弁護士のエドモンを紹介してもらう。エスプリのきいたロメール流結婚哲学。
『喜劇と格言劇集 海辺のポーリ-ヌ』
1982年/フランス/35mm/カラー/95分 *DVD上映
脚本:エリック・ロメール/撮影:ネストール・アルメンドロス/出演:アマンダ・ラングレ、アリエル・ドンバール
ヴァカンスのノルマンディーを舞台に、ウイットとユーモアにあふれたセリフの展開される15歳の少女ポーリ-ヌと、美しい従姉マリオンの恋愛模様。マティスの絵画「ルーマニア風のブラウス」の色調をヒントに撮りあげられた白が印象的。撮影のアルメンドロスとの最後の作品。
『喜劇と格言劇集 満月の夜』
1984年/フランス/35mm/カラー/102分
脚本:エリック・ロメール/撮影:レナート・ベルタ/出演:パスカル・オジエ、チェッキー・カリョ
寂しがりやだが束縛を嫌うルイーズは、郊外で恋人と暮らしながらパリにも自分ひとりの部屋を持っている。ある時、恋人に裏切られていることを知り…。ロメール特有の長回しカメラと巧みな台詞回しが冴える。パスカル・オジエの遺作となった。
『喜劇と格言劇集 緑の光線』
1986年/フランス/35mm/カラー/98分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ソフィー・マンティニュー/出演:マリー・リヴィエール、ヴァンサン・ゴーチエ
ヴァカンスの約束をドタキャンされた独身のデルフィーヌは、友人たちの気遣いにもかかわらず、寂しさを拭えない。ビアリッツに行った彼女はそこで「緑の光線」のことを耳にして…。若い3人の女性スタッフだけの即興的な撮影によって、生き生きとした会話が紡ぎだされた至福に満ちた作品。
『レネットとミラベル四つの冒険』
1986年/フランス/16mm→35mm/カラー/97分
脚本:エリック・ロメール/撮影監督:シフィー・マンティニュー/出演:ジョエル・ミケル、ジェシカ・フォルド
「青い時間」「カフェのボーイ」「物乞い、窃盗常習犯、女詐欺師」「絵の売買」の4篇からなる、パリッ子ミラベルと田舎の子レネットの可愛い冒険物語。映画と現実、言葉と映画、映画と色彩などロメール作品の要素が全てつまった作品。
『喜劇と格言劇集 友だちの恋人』
1986年/フランス/35mm/カラー/102分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ベルナール・リュティック/出演:エマニュエル・ショーレ、ソフィー・ルノワール
OLブランシュと女子大生レア、そして二人の恋人の四角関係を、初夏のパリを舞台に恋愛・男性観にまつわる豊かな会話をちりばめユーモラスに描く。ブランシュは「友だちの恋人」であるファビアンと仲良くなっていくが…。
『四季の物語 春のソナタ』
1989年/フランス/35mm/カラー/110分
脚本:エリック・ロメール/撮影:リュック・パジェス/出演:アンヌ・テイセードル、フロランス・ダレル
哲学を教えるジャンヌはパーティーで音楽学校に通うナターシャと出合う。父の愛人が気に入らないナターシャは、知的なジャンヌを父の新しい恋人にしようと仕向けるが…。花々が咲き乱れる季節にゆらめく人々の感情を、ソナタにのせて軽やかに描く。
『四季の物語 冬物語』
1991年/フランス/35mm/カラー/114分
脚本:エリック・ロメール/撮影:リュック・パジェス/出演:シャルロット・ヴェリー、フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ
永遠の愛を誓った恋人と些細な行き違いから生き別れになったフェリシー。年の瀬のパリ、彼のとの愛娘を育てながら再会を願う彼女に奇跡は起こるのか? 16mmで撮影された、その独特の質感に冬の空気感を感じさせる愛の物語。
『木と市長と文化会館』
1992年/フランス/35mm/カラー/105分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラティエ/出演:パスカル・グレゴリー、アリエル・ドンバール
フランスの田舎町。文化会館建設で切り倒される樹齢100年の木をめぐって、市長とエコロジスト、恋人たちがかんかんがくがく。そして意外なハッピーエンド。偶然に翻弄される人々をドキュメンタリータッチでユーモラスに描いた風刺喜劇。
『パリのランデブー』
1995年/フランス/カラー/95分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラティエ/出演:クララ・ベラール、アントワーヌ・バズラー
パリの街で出会い、翻弄され、そして行き違う若い男女の恋愛感情を描いたみずみずしい3つの物語。歳を重ねてもヌーヴェル・ヴァーグを現在進行で生き続けたロメールが、映画的直感とその洗練された感情を自在に噴出させた恋愛百景。
『四季の物語 夏物語』
1996年/フランス/35mm/カラー/114分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラティエ/出演:メルヴィル・プポー、アマンダ・ラングレ
大西洋に面した美しい避暑地ディナールで恋人を待つガスパールは、ウェイトレスのマルゴと出会いデートをしながらソレールという女性にも惹かれてゆく。夏の光に溢れた海辺の街を舞台に繰り広げられる恋愛模様。マルゴ役は『海辺のポーリーヌ』のアマンダ・ラングレ。
『四季の物語 恋の秋』
1998年/フランス/35mm/カラー/112分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラチエ/出演:マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマン
ローヌ渓谷でワイナリーを営む40代の女性マガリ。陽気なうわべとはうらはらに孤独を感じているのを察した親友とマガリの息子は、それぞれマガリの恋の相手を探す。黄金色に染まった秋の大地を背景に、熟成したワインのように繊細で芳醇な大人の恋の物語。
『グレースと侯爵』
2000年/フランス/カラー/129分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラティエ/出演:ルーシー・ラッセル、ジャン=クロード・ドレフュス
フランス革命期、ルイ16世を敬愛する英国女性グレースと革命派に傾いていくかつての恋人オルレアン侯爵。恋愛を終えてもなお、お互いを思いやる大人の愛情を、油絵の背景に実写の人物をCGで重ね合わせた大胆な手法で描く。
『三重スパイ』
2003年/フランス/カラー/115分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアーヌ・バラティエ/出演:カテリーナ・ディダスカル、セルジュ・レンコ
1936年。ギリシャ人の妻とパリに亡命したロシア帝政軍の将校。彼はスパイであることは認めつつ、クライアントは妻にさえ隠している。一体彼は何を知り、何のための任務なのか?実話をヒントに、嘘偽りについての教訓をはらんだサスペンス劇。
『我が至上の愛〜アストレとセラドン〜』
2007年/フランス・イタリア・スペイン/カラー/109分
脚本:エリック・ロメール/撮影:ディアース・バラチエ/出演:アンディ・ジレ、ステファニー・クレイヤンクール、セシル・カッセル
純粋な愛を育んでいた美しいアストレと羊飼いのセラドン。しかしアストレに浮気の疑いをかけられ拒絶されたセラドンは、失意のあまり入水自殺を計る―。ロメールならではのユーモアと官能たっぷりに、愛する者への忠誠とはなにかを問いかける。「最後の長編」という宣言そのままに、本作がロメールの遺作となった。
『パリところどころ』
1965年/フランス/カラー/97分
監督:第一話「サンドニ街」 ジャン=ダニエル・ポレ|第二話「北駅」 ジャン・ルーシュ|第三話 「サンジェルマン・デ・プレ」 ジャン・ドゥーシェ|第四話「エトワール広場」 エリック・ロメール|第五話「モンパルナスとルヴァロワ」 ジャン=リュック・ゴダール|第六話「ラ・ミュエット」 クロード・シャブロル
ヌーヴェルヴァーグの作家達によるパリのショーケース。ロメールは歩行困難なエトワール広場(現在のシャルル・ドゴール広場)の地理的な特徴を生かし、ある男のちょっとした災難を描く。まだ無名カメラマンだったアルメンドロスと出会った記念碑的作品でもある。
■上映スケジュール
3月6日(土) 12:00『獅子座』/14:15『モンソーのパン屋の女の子』、『シュザンヌの生き方』/16:45『モード家の一夜』/19:00『O侯爵夫人』
3月7日(日) 12:00『コレクションする女』/14:15『クレールの膝』/16:45『愛の昼下がり』/19:00『聖杯伝説』
3月8日(月) 12:00『O侯爵夫人』/14:15『聖杯伝説』/16:45『モンソーのパン屋の女の子』、『シュザンヌの生き方』/19:00『モード家の一夜』
3月9日(火) 12:00『愛の昼下がり』/14:15『グレースと公爵』/16:45『コレクションする女』/19:00『クレールの膝』
3月10日(水) 12:00『レネットとミラベル 四つの冒険』/14:15『飛行士の妻』/16:45『美しき結婚』/19:00『木と市長と文化会館』
3月11日(木) 12:00『木と市長と文化会館』/14:15『海辺のポーリーヌ』/16:45『満月の夜』/19:00『グレースと公爵』
3月12日(金) 12:00『友だちの恋人』/14:15『緑の光線』/16:45『レネットとミラベル 四つの冒険』
3月13日(土) 12:00『飛行士の妻』/14:15『美しき結婚』/16:45『海辺のポーリーヌ』/19:00『満月の夜』/21:15『パリところどころ』
3月14日(日) 12:00『緑の光線』/14:15『友だちの恋人』/16:45『パリのランデブー』/19:00『三重スパイ』/21:15『我が至上の愛』
3月15日(月) 12:00『春のソナタ』/14:15『夏物語』/16:45『木と市長と文化会館』/19:00『パリところどころ』/21:15『レネットとミラベル』
3月16日(火) 12:00『恋の秋』/14:15『冬物語』/16:45『友だちの恋人』/19:00『春のソナタ』/21:15『冬物語』
3月17日(水) 12:00『我が至上の愛』/14:15『飛行士の妻』/16:45『美しき結婚』/19:00『夏物語』/21:15『恋の秋』
3月18日(木) 12:00『三重スパイ』/14:15『パリのランデブー』/16:45『海辺のポーリーヌ』/19:00『緑の光線』/21:15『満月の夜』
3月19日(金) 12:00『パリのランデブー』/14:15『グレースと公爵』/16:45『我が至上の愛』/19:00『三重スパイ』/21:15『獅子座』
*『海辺のポーリーヌ』はDVD上映、『コレクションする女』、『モード家の一夜』、『聖杯伝説』はデジタル素材による上映です。
*35 mmプリントによる上映作品の一部に、プリントの劣化(傷、退色等)により状態の悪い作品がございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
企画:ユーロスペース
協力:日活、フランス映画社、プレノンアッシュ、アルシネテラン、Les Films du Losange、Wild Bunch、ザジ・フィルムズ
【入場料金】
一般1400円/大学・専門学校生1200円/会員・シニア1000円/高校生800円/中学生以下500円/5回券4500円
*ぴあミニシアター回数券もご使用いただけます。
劇場:ユーロスペース2
期間:2010/03/06-2010/03/19
2010/09
上映時間:上映スケジュールは作品紹介欄をご覧ください
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2010.09.01
「
ブラジル映画祭2010
」の情報を追加致しました。
2010.08.26
「
ケンタとジュンとカヨちゃんの国
」の情報を追加致しました。
2010.08.17
「
海炭市叙景
」の情報を追加致しました。
2010.08.16
「
玄牝
」の情報を追加致しました。
2010.08.16
「
ゲゲゲの女房
」の情報を追加致しました。
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