『去年マリエンバードで』 L’Année dernière à Marienbad 1960年/93分/35mm/モノクロ/日本語字幕付 出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジョルジョ・アルベルタッツィ、サッシャ・ピトエフ 原作:アラン・ロブ=グリエ ある豪奢な城館で、一人の男が、一人の美しい女性に、「去年、ぼくらはマリエンバードで出会っている」と告げる。「レネはしばしば、自分の関心をひくのは登場人物ではなく感情である、つまり登場人物が、自分の身を置く過去の領域に応じて自分の影のようなものとして抽出しうる感情であると言明してきた。登場人物は現在に属する、だが感情は過去の中に沈み込む。感情が登場人物になる、太陽がないのに公園に描かれた影のように(『去年マリエンバードで』)」。 (ジル・ドゥルーズ、『シネマ2*時間イメージ』宇野邦一ほか訳、法政大学出版局)
『ミュリエル』 Muriel ou le temps d’un retour 1963年/116分/35mm/カラー/日本語字幕付 出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジャン=バティスト・チェーレ、ジャン=ピエール・ケリアン、ニタ・クライン 復興したが、いまだに戦禍の跡が残っている北フランスのとある町。アルジェリア戦争について人々は口を閉ざしている。この町で骨董屋を営む未亡人のエレーヌは、第二次世界大戦後に別れた初恋の相手と再会するのだが……。 「アラン・レネは第二次世界大戦、アルジェリア戦争、スペイン戦争などについて映画を撮り続けた唯一の映画作家だ。僕にとって、アルジェリア戦争を描いた映画として、『ミュリエル』は『小さな兵隊』より大事な作品だ」(アルノー・デプレシャン)。
『戦争は終わった』 La Guerre est finie 1966年/121分/35mm/モノクロ/日本語字幕付 出演:イヴ・モンタン、イングリッド・チューリン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ジャン・ダステ スペイン内乱以来、25年間、反フランコ派の地下運動をしている中年の革命家の3日間の動きを描いた作品。スペイン生まれの元活動家センプランが自己の体験に基づいて書かれた脚本で、抑圧の中で自由を熱望する人間のありさまをアラン・レネが濃密に描き出している。「スクリーンではめったに見ることはないが、世界の変革に大きな役割を果たしている人々を描いてみたいと思った。もし一握りの人たちが世界を変えているのなら、彼らについて映画を作ってもいいのではないかと」(アラン・レネ)。
『ベトナムから遠く離れて』 Loin du Vietnam フランス=イタリア=アメリカ/1967年/116分/35mm/カラー/日本語字幕付 監督:クリス・マルケル、ジャン=リュック・ゴダール、アラン・レネ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、クロード・ルルーシュ アメリカが仕掛けたベトナム戦争を告発するために、6人の映画作家が、それぞれ自由な立場で短編作品を作り、クリス・マルケルが総編集している。アラン・レネは第4章・クロード・リデールを監督。クロード・リデールが、沈黙しつづける女性の前で、不信の時代の言語を語り、そして告発する。「集団的映画作品の名に値するフランス映画があるとしたら、まさにこの作品であるだろう。作っている最中でさえ、誰が何を担当しているのか分からなくなるほど、集団的な作業だった」(クリス・マルケル)。
『巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)』 Pas sur la bouche 2003年/115分/35ミリ/カラー/日本語字幕付 出演: サビーヌ・アゼマ、ピエール・アルディティ、アンドレ・デュソリエ、オドレ・トトゥ、ランベール・ウィルソン 1925年、パリ。アメリカ人の元夫の登場は過去の結婚を知らない今の夫との生活を狂わせてしまうのだろうか。パリでロングランとなった傑作オペレッタの映画化。撮影はレナート・ベルタ。「エクトプラズムや墓地や鬼火やよくわからない夜ごと行われる儀式を行っている人々についてのイメージを持ってこの作品を撮影した」(アラン・レネ)。
『風にそよぐ草』 Les Herbes folles 2008年/104分/35ミリ/カラー/日本語字幕付 出演: サビーヌ・アゼマ、アンドレ・デュソリエ、アンヌ・コンシニ、エマニュエル・ドゥボス、マチュー・アマルリック マルゲリットはお店を出るときに鞄を盗まれることを予期していなかった。さらにその強盗が鞄の中の財布だけ駐車場に投げ捨てていくなんてまったく予想していなかった。その赤い財布、マルグリットのパイロット免許の入った財布を何気なく拾ったのがジョルジュだった。「プロの俳優ばかり使う、という批判があるかもしれないが、私には、プロの俳優たちとの方が、それも偉大な俳優たちが出会ったときの方が、何かが起こるチャンスが大きいと思われる」(アラン・レネ)。