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A2 完全版

6月18日(土)公開

2002年劇場公開時にカットされた幻のシーンを入れた「完全版」、15年後の初めての劇場公開

A2 完全版

「僕は最近のこの国が少し怖いです」
手にした一枚の年賀状の裏面には、印字された謹賀新年の横にボールペンでこの一文が書かれていた。差出人は、その後に公開した「A2」に登場する民族派右翼のメンバーだ。
この少し前、彼ら民族派右翼の思想的支柱でもある幹部の自宅に安岡卓治と呼ばれて、三人でキッチンで酒を飲んだ。飲み始めたときは緊張していたけれど、やがて酔いが回り、この時期に台頭し始めていた新しい歴史教科書を作る会について「極端な右傾化が始まっていて懸念します」と僕は言った。少しだけ目を細めるようにしてから、彼は静かに言った。
「あれは右翼じゃない。ファシズムだよ。とても危険だと俺も思うよ」
『A』そして『A2』を撮りながら、この国の急激な変化を肌で感じていた。それを言葉にすれば「集団化」だ。危機意識を高揚させた集団は連帯を求め、同調圧力を強める。異物を探して標的にする。共通の敵を探したくなる。(同じ動きをするために)号令を求める。つまり強いリーダーだ。
『A2』公開直前、アメリカで同時多発テロが起きた。僕の視点からは、オウムによる日本社会の変化が、世界に拡散したと感じた。
それから15年が過ぎた。集団化は止まらない。むしろ加速している。その原点を知ってほしい。気がつけば僕たちは、これほど遠くに来てしまっている。
――森達也

オウム真理教(現アーレフ)の広報副部長を主人公に、オウム事件の本質に迫った森達也の代表作『A』の続編。教団施設を追われ日本各地にその拠点を分散し活動している出家信者達と地元住民の対立と融和、右翼との交流など、社会の軋轢がより先鋭的に描かれる。信者たちが抱えている矛盾や、社会の側に生まれ始めた「受容への萌芽」を描き出す。2001年山形国際ドキュメンタリー映画祭、市民賞と特別賞を受賞。今回、森達也監督15年ぶりの新作『FAKE』公開に合わせ、2002年の劇場公開時カットされた幻のカットを加えた完全版を上映。

監督:森達也/編集:森達也、安岡卓治
2001年/日本/カラー/131分/配給:東風

  • 公開日

  • 上映時間

    6月18日(土)~24日(金)、7月9日(土)~15日(金) 21:00~23:12

  • 入場料金

    一般1500円/大学・専門学校生1300円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円
    ※『FAKE』半券提示で一般、大学生1200円

  • イベント情報

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