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映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い

11月19日(土)公開

映画を愛し、戦争を憎み、平和を希求した巨匠 黒木和雄監督が、映画人として伝えたかったこと。

映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い

映画作家・黒木和雄の存在に衝撃を受けたのは、『とべない沈黙』との出会いであった。華麗な映像美と、戦後とは何かという重厚なテーマを見事に融和させた斬新な映画であった。地方都市で、映画監督を夢みる大学生にとって、映画の限りない未知なる表現の可能性を信じさせるに十分であった。時が流れ、志を胸に上京してまもなく、畏敬する黒木和雄監督『日本の悪霊』の助監督として参加する機会を得た。以来、『原子力戦争』まで8年余、その後、監督となってからも、長い長い年月、敬愛する師であることに変わりはなかった。黒木監督が急逝して10年。今一度、師と真摯に向き合いたいと思った。その想いが、このドキュメンタリー映画のモチーフである。
映画作家・黒木和雄は、15才で敗戦をむかえるまで、いわゆる「15年戦争」といわれる時代と重なって少年時代を戦時下で生きた。『とべない沈黙』は、その体験から生まれ、非戦、平和への想いを込めて描かれた戦争四部作といわれる意欲作の原点となっている。『TOMORROW明日』では、生まれたばかりの赤ちゃんの尊い命が一瞬のうちに原爆によって奪われ、『美しい夏キリシマ』では、親友、同窓生10名の命が爆撃によって奪われ、『父と暮せば』では、大切な父親を、そして『紙屋悦子の青春』では、結婚を約束した恋人を、戦争によって奪われる。
いずれの映画も、戦争がいかに人間の自由を奪うか、戦争の悲惨さ、恐ろしさ、本質を、日常生活のなかで描いた秀作である。映画作家・黒木和雄の、かつての日本が突き進んだ「破滅の道」「いつか来た道」を、決してふたたび歩んではいけないという信念をみることができる。
黒木和雄は、映画作家ゆえに、映画で「私の戦争」を問い、常に時代に鋭い眼を向けつづけ、警鐘を鳴らしてきた。映画作家・黒木和雄を、ドキュメントすることで、わが敬愛する師、黒木和雄監督が遺した非戦、平和、そして真の自由への想いを、明日に繋いでいきたい。
戦後71年目を迎えた今、戦後生まれの僕自身、この時代にどう向き合っていくのか、それが問われています。
監督 後藤幸一

監督:後藤幸一/出演:澤地久枝、田原総一朗、黒田征太郎
2016年/日本/デジタル/91分/配給:パル企画

  • 公開日

  • 上映時間

    10:00~11:40

  • 入場料金

    一般1500円/大学・専門学校生1300円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円

  • イベント情報

    ■初日舞台挨拶
    11月19日(土)10:00の回上映前 ゲスト:後藤幸一監督

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