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アイヌモシㇼ

10月17日(土)公開

この世界を、生きる。生きていく
現代を生きる「アイヌ」を映し出した、新しい日本映画が誕生

アイヌモシㇼ

©AINU MOSIR LLC/Booster Project

14歳の少年カントは、アイヌ民芸品店を営む母親のエミと北海道の阿寒湖畔のアイヌコタンで暮らしていた。北海道各地で定期的に開かれるアイヌの行事や、地元の踊りの練習に通い、自然にアイヌ文化に触れながら育ってきたカントだったが、一年前の父親の突然の死をきっかけにアイヌの活動に参加することをぴたりと止めてしまう。エミは、カントがアイヌ文化から離れていくことに戸惑いながらも、何かを無理強いすることはせずにカントをそっと見守っていた。
アイヌ文化と距離を置く一方で、カントは友人達と始めたバンドの練習に没頭し、翌年の中学校卒業後は高校進学のため故郷を離れることを予定していた。
亡き父親の友人で、アイヌコタンの中心的存在であるデボは、そんなカントの状況を不満に思っていた。デボは、カントを山での自給自足のキャンプに連れて行き、自然の中で育まれたアイヌの精神や文化について教えこもうとする。
デボが伝えようとすることに少しずつ理解を示すカントを見て喜ぶデボは、アイヌの精神世界を更に教え込もうと、密かに育てていた子熊の世話をカントに手伝わせるようになる。世話をする内に子熊への愛着を深めていくカント。しかし、デボは長年行われていない熊送りの儀式、イオマンテの復活のために子熊を 飼育していた。

近年、先住民アイヌが注目を集めている。「アイヌ新法」成立は記憶に新しく、大ヒットコミック『ゴールデンカムイ』により、多くの人がその文化の多様性や自然との共生を大切にする精神性に新たに魅せられている。今年も北海道白老町にオープンしたアイヌ文化施設「ウポポイ」など、話題が尽きない。
長編デビュー作『リベリアの白い血』(2017)で、ニューヨークに渡るアフリカの移民たちの苦悩を描き、国内外で高く評価された新鋭・福永壮志監督が5年かけて作り上げた長編2作目となる今作は、自身が生まれ育った北海道を舞台に、阿寒湖のアイヌコタンで暮らす少年を通して、現代を生きるアイヌ民族のリアルな姿を瑞々しく映し出している。ニューヨーク・トライベッカ映画祭のインターナショナル・ナラティブ・コンペティション部門にて長編日本映画史上初の審査員特別賞を受賞し、審査員である映画監督のダニー・ボイルや俳優のウィリアム・ハートらに絶賛された。
本作にて初主演を果たしたのはアイヌの血を引く新星・下倉幹人。演技は初めてとなるが、力強い眼差しが印象的な主人公・カントを演じ、アイデンティティーにゆれる等身大の役どころに挑戦した。その他主要キャストもアイヌが務め、カントの父の友人デボに扮するのは、阿寒に暮らし多岐にわたる活躍をみせる秋辺デボ。アイヌの伝統を重んじるデボ役を体現している。カントを優しく見守る母のエミ役は下倉幹人の実の母でミュージシャンの下倉絵美が担当した。三浦透子、リリー・フランキーら実力派がゲスト出演し、作品に重厚感をもたらしている。




監督:福永壮志/出演:下倉幹人、秋辺デボ、下倉絵美
2020年/日本・アメリカ・中国/84分/カラー/ビスタ/5.1ch/配給:太秦

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