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日芸映画祭「領土と戦争」

12月2日(金)公開

今年で12回目となる日藝生企画・運営の映画祭

日芸映画祭「領土と戦争」

2022年2月24日、世界は一変した。ロシアが突如、ウクライナに軍事侵攻を始めたからだ。それから穀物や鉱物資源の価格は高騰し、世界的な物価高が引き起こされるなど、 コロナ禍の影響から抜けきれていなかった世界はさらに混乱を極めた。日本も世界と同じようにこの問題による経済的な影響を受けているが、我々日本人にとってロシアが隣国へ攻め込み、その土地を占領している、という事実は対岸の火事ではない。なぜなら日本は現在も渦中のロシアをはじめとして、中国や韓国とも領土問題を抱えているからだ。加えて、今年5月15日には沖縄が米国から日本に返還されて50年という重要な節目を迎えた。我々日本人、そして世界の人々にとっても「領土」とは何なのか、これまで人々がそれとどう向き合ってきたかを、今一度考え直すべき時期ではないだろうか。

映画はいつも、その時代の世相、監督や観客たちの思いを表象してきた。『狼火は上海に揚る』(1944)のような国策映画で描かれるのは、当
時の政府の意向を伝えるための都合の良い物語。戦後、監督たちは、『ひめゆりの塔』(1953)や『高地戦』(2011)のように戦時中の凄惨で救いのない状況を伝えた。我々は今回、領土問題を戦争という観点から捉えて14本の映画を選出した。スクリーンに映し出されるのは、人々の土地への誇り、権力者たちや資本主義の支配欲、そして製作者たちの思い。この映画祭で上映する古今東西の映画を通じて、戦争、そして領土について改めて考えてもらえたら嬉しい。この映画祭が開催される12月には、ウクライナの状況が少しでも改善されていることを祈りながら。

■上映作品
『半島の春』
監督:李炳逸/1941年/韓国/84分
『狼火は上海に揚る』
監督:稲垣浩/1944年/日本=中国/65分(欠落前92分)
『あの旗を撃て コレヒドールの最後』
監督:阿部豊/1944年/日本/108 分
『ひめゆりの塔』
監督:今井正/1953年/日本/35mm/128分
『アルジェの戦い』
監督:ジッロ・ポンテコルヴォ/1966年/イタリア=アルジェリア/121分
『地獄の黙示録 ファイナルカット』
監督フランシス・フォード・コッポラ/1979年→2019年/アメリカ/182分
『ブリキの太鼓』
監督:フォルカー・シュレンドルフ/1979年/西ドイツ=フランス/142分
『ウンタマギルー』
監督:高嶺剛/1989年/日本/120分
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
監督:アレクサンドル・ソクーロフ/2007年/ロシア=フランス/92分
『カティンの森』
監督:アンジェイ・ワイダ/2007年/ポーランド/
122分
『高地戦』
監督:チャン・フン/2011年/韓国/133分
『運命は踊る』
監督:サミュエル・マオズ/2017年/イスラエル=ドイツ=フランス=スイス/113分
『沖縄スパイ戦史』
監督:三上智恵、大矢英代/2018年/日本/114 分
『アイダよ、何処へ?』
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ/2020年/オーストリア=ルーマニア=オランダ=ドイツ=ポーランド=フランス=ノルウェー=トルコ/101分


※各作品の詳細はちらしPDFをご覧ください

  • 公式サイト

    http://nichigei-eigasai.com/

  • 公開日

  • 上映時間

    12月2日(金) 11:00『チェチェンへ アレクサンドラの旅』/13:15『運命は踊る/15:30『カティンの森』/18:00『沖縄スパイ戦史』
    12月3日(土) 10:10『ひめゆりの塔』/13:15『ウンタマギルー』/16:10『アルジェの戦い』/19:00『狼火は上海に揚る』
    12月4日(日) 10:10『半島の春』/12:30『アイダよ、何処へ?』/15:00『あの旗を撃て コレヒドールの最後』/17:30『地獄の黙示録 ファイナルカット』
    12月5日(月) 11:00『ブリキの太鼓』/13:45『高地戦』/16:45『運命は踊る』/19:00『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
    12月6日(火) 11:00『沖縄スパイ戦史』/13:30『ひめゆりの塔』/16:00『ウンタマギルー』/18:30『カティンの森』
    12月7日(水) 11:00『狼火は上海に揚る』/13:00『あの旗を撃て コレヒドールの最後』/15:15『アルジェの戦い』/17:40『ブリキの太鼓』
    12月8日(木) 10:45『地獄の黙示録 ファイナルカット』/14:00『半島の春』/15:45『アイダよ、何処へ?』/17:45『高地戦』

  • 入場料金

    一般1300円/学生・会員・シニア1100円/3回券2850円

  • イベント情報

    ■トークショー
    12月2日(金) 18:00『沖縄スパイ戦史』上映後
    ゲスト:三上智恵監督

    12月3日(土) 10:10『ひめゆりの塔』上映後
    ゲスト(予定):香川京子さん(俳優)

    12月3日(土) 16:10『アルジェの戦い』上映後
    ゲスト:古賀太(日本大学芸術学部映画学科教授)

    12月4日(日) 10:10『半島の春』上映後
    ゲスト:下川正晴さん(『日本統治下の朝鮮シネマ群像』著者)

    12月4日(日) 12:30『アイダよ、何処へ?』上映後
    ゲスト:安田菜津紀さん(認定NPO法人Dialogue for People副代表/
    フォトジャーナリスト)

    12月4日(日) 15:00『あの旗を撃て コレヒドールの最後』上映後
    ゲスト:志村三代子さん(日本大学芸術学部映画学科教授)

    12月7日(水) 17:40『ブリキの太鼓』上映後
    ゲスト:渋谷哲也さん(日本大学文理学部教授/ドイツ映画)

    12月8日(木) 17:45『高地戦』上映後
    ゲスト:寺脇研さん(映画評論家/プロデューサー)

    ※12月3日(土)の『ウンタマギルー』の高嶺剛監督のトークショーは中止になりました。当日は本編上映後に高嶺剛監督のコメントを発表いたします。ご参加をご検討いただいた皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。

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