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イスラーム映画祭8

2月18日(土)公開

歴史的なパレスチナ映画の名作やフランスの移民映画を上映

イスラーム映画祭8

全世界17億人―。
アジアからアフリカまで、国境、民族、言語を越えて広がるイスラーム文化圏を、映画で旅する7日間。
映画を楽しみながら、世界の多様性を知るために、第8回目の「イスラーム映画祭」を開催いたします。

■上映作品
《ガッサーン・カナファーニー没後50年特別上映》
『太陽の男たち』 監督:タウフィーク・サーレフ ※劇場初公開
1972年/シリア/107分/アラビア語
ヨルダンからイラクにやって来た3人のパレスチナ難民。彼らは金を稼ぐため、同じ難民の男が運転する給水車の空のタンクに潜みクウェートへの密入国に挑むが…。1972年にベイルートで爆殺されたパレスチナ人作家、ガッサーン・カナファーニーの代表作をエジプト人監督が映画化した歴史的名作です。

『マリアムと犬ども』 監督:カウサル・ビン・ハニーヤ ※日本初公開
2017年/チュニジア=フランス=スウェーデン=ノルウェー=レバノン=カタール=スイス/100分/アラビア語
大学のパーティーが開かれたある晩、マリアムは警察官から暴行を受ける。その時一緒にいたユースフは被害を訴えるため、彼女を病院や警察に連れてゆくが…。“アラブの春”と呼ばれたチュニジア革命後の2012年に実際に起きた、警察官による性暴行事件から着想を得た作品です。

※本作には性暴力を間接的に描いたシーンがございます。また被害者が二次加害を受けるシーンが頻出いたします。

『陽の届かない場所で』 監督:ナダー・マズニー・ハファイヤズ ※日本初公開
2017年/チュニジア=フランス/80分/アラビア語
人権活動家アミーナ・サブウィは、家族や地域から迫害されたゲイやトランスヴェスタイトの人々と一つ屋根の下に暮らしている…。ウクライナ発祥のフェミニズム団体フェメンの元メンバー、アミーナ・サブウィを軸としたドキュメンタリー映画です。アラブ社会における性的マイノリティの絶望とかすかな希望が描き出されます。

※本作には登場人物の性器が映るシーンが1ヵ所だけございます。

『ファーティマの詩(うた)』 監督:フィリップ・フォコン ※日本初公開
2015年/フランス=カナダ/78分/フランス語、アラビア語
アルジェリア移民のファーティマは、清掃の仕事で2人の娘を育てている。大学生の長女ネスリーンは試験の重圧からストレスを抱え、次女のスアードは勉強をせず反抗してばかり…。2015年11月15日に発生したパリ同時多発テロから3ヵ月後のセザール賞で、最優秀作品賞に選ばれた作品です。

『エグザイル 愛より強い旅』 監督:トニー・ガトリフ
2004年/フランス/103分/フランス語、アラビア語、スペイン語
かつてのフランス人植民者の孫であるザノは、アルジェリアルーツの恋人ナイーマを誘い、アルジェへと旅に出る。ムスリム兄妹と出会ったり農園で働いたりしながら2人は旅を続けるが…。アルジェリア出身でロマのルーツも持つガトリフ監督の自伝的要素の強い作品で、スーフィー音楽等を基にした監督自身による楽曲の数々が物語を彩ります。

※本作には登場人物の性器が映るシーンが1ヵ所だけございます。

『キャラメル』 監督:ナディーン・ラバキー
2007年/フランス=レバノン/96分/アラビア語、フランス語
ベイルートでヘアサロンを営むラヤールは、妻子ある男との恋に悩んでいる。従業員のリマは同性への想いを秘め、ムスリムのニスリンは結婚を前に、相手には言えないある秘密を抱えていた…。ムスリムとキリスト教徒がともに暮らすベイルートを舞台に描く、様々な悩みやセクシュアリティを抱える女性たちのドラマです。

『そこにとどまる人々』 監督:エリアーン・ラヘブ
2016年/レバノン=UAE/95分/アラビア語
ハイカルはキリスト教徒。かつてはムスリムと隣人同士だった村で、彼は今も昔と変わらない日常を過ごしている…。様々な宗派が歴史的に混住する、シリア国境に近いレバノン北部の村を舞台にしたドキュメンタリー映画です。分断が進む世界に多くの問いを投げかけます。(上映素材提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭)

『キャプテン アブ・ラエド』 監督:アミン・マルタカ
2007年/ヨルダン=アメリカ/102分/アラビア語
妻を亡くし、国際空港の清掃員をしながら孤独に暮らすアブ・ラエド。ある日ゴミ箱から拾った機長の帽子をかぶっていた彼は、近所の少年にパイロットと間違えられる…。ヨルダン生まれ、アメリカ育ちの監督が故郷で撮った、主人公の温かな人柄と石造りの家が並ぶアンマンの風情が胸に沁みる作品です。(上映素材提供:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)

『午後の五時』 監督:サミラ・マフマルバフ
2003年/イラン/101分/ダリ語、英語
イスラームに厳格な父親に内緒で、普通学校へ通うノクレ。彼女の夢はアフガニスタンの大統領になって、女性の教育の遅れを取り戻すこと。ノクレはある日出会った帰還民の青年に、政治家の演説の内容を知りたいと頼む…。イランの女性監督が、第一次タリバン政権(1996〜2001年)崩壊後のアフガニスタンで製作した作品です。

『わたしはバンドゥビ』 監督:シン・ドンイル
2009年/韓国/107分/韓国語、ベンガル語
女子高生のミンソはある日、バスで移民労働者のカリームが落とした財布を持ち逃げしようとするが、カリームに捕まる。彼はミンソを許す代わりに、未払いの賃金を取り立ててほしいと頼むが…。韓国の移民事情や若者の孤独など深刻な社会的テーマを扱いながら、「世界に目を向けよう」というメッセージも込められた作品です。

〜アンコール〜

『私たちはどこに行くの?』 監督:ナディーン・ラバキー
2011年/レバノン=フランス/102分/アラビア語、フランス語、ロシア語
1990年代初頭の、ムスリムとキリスト教徒が暮らすレバノンの小さな村。戦争がようやく終わり女たちは安堵していたが、男たちはすぐに諍いを始めてしまう。愛する家族を守るべく女たちはあの手この手と策を練る…。『キャラメル』と『存在のない子供たち』の間に製作し、トロント国際映画祭観客賞を受賞したラバキー監督の長篇第2作です。

『長い旅』 監督:イスマイル・フェルーキ
2004年/フランス=モロッコ=ブルガリア=トルコ/108分/アラビア語、フランス語、セルボ・クロアチア語他
フランス生まれのモロッコ移民第二世代のレダは、敬虔なムスリムの父ムスタファに駆り出され、聖地マッカまで運転手をするはめに。学校にも行けず恋人とも会えなくなったレダは、事あるごとにムスタファに歯向かうが…。7ヵ国をまたぐ旅が心をゆさぶる、イスラーム最大の聖地マッカでの撮影を許された史上初の長篇劇映画です。

『ソフィアの願い』 監督:マルヤム・ビンムバーラク
2018年/フランス=カタール=ベルギー=モロッコ/85分/アラビア語、フランス語
20歳のソフィアはある日突然破水し、従妹のリナに付き添われ病院で出産する。しかし、相手が夫でなければ婚外交渉として通報されてしまう。両親にもばれたソフィアは、相手は以前職場で出会ったウマルだと明かすが…。ジェンダーに隠されたモロッコの格差問題をひねりの利いた脚本であぶり出す、イスラーム映画祭7で最も物議を醸した作品です。

『ガザを飛ぶブタ』 監督:シルヴァン・エスティバル
2010年/フランス=ドイツ=ベルギー/99分/アラビア語、ヘブライ語、英語
パレスチナ人漁師ジャファールは、ある日海から豚を引き揚げてしまう。彼は不浄な動物を早く始末しなければと焦るが、金に困っていたため、入植地のユダヤ人女性エレーナにある商売を持ちかける…。イスラームでもユダヤでも禁忌の豚をめぐる騒動を通じ、いまだ解決への道のりが遠いパレスチナ問題を風刺したファンタジーコメディです。

  • 公式サイト

    https://islamicff.com

  • 公開日

  • 上映時間

    2月18日(土)11:00『マリアムと犬ども』/14:00『陽の届かない場所で』/15:45『エグザイル 愛より強い旅』/18:50『長い旅』
    2月19日(日)11:00『キャラメル』/13:15『そこにとどまる人々』/16:30『私たちはどこに行くの?』/18:50『キャプテン アブ・ラエド』
    2月20日(月)11:00『ファーティマの詩(うた)』/12:45『わたしはバンドゥビ』/15:00『陽の届かない場所で』/17:30『午後の五時』
    2月21日(火)11:00『太陽の男たち』/14:30『エグザイル 愛より強い旅』/17:00『マリアムと犬ども』/19:15『ファーティマの詩(うた)』
    2月22日(水)11:00『陽の届かない場所で』/13:00『太陽の男たち』/16:00『午後の五時』/18:20『わたしはバンドゥビ』
    2月23日(木)11:00『ソフィアの願い』/12:50『ファーティマの詩(うた)』/15:30『太陽の男たち』/18:55『ガザを飛ぶブタ』
    2月24日(金)11:00『わたしはバンドゥビ』/14:15『マリアムと犬ども』/16:40『キャプテン アブ・ラエド』/19:00『キャラメル』

  • 入場料金

    一般1600円(火曜サービスデー1200円)/会員・シニア・大学・専門学校生1200円/障碍(がい)のある方1000円(付添いお一人様まで適用)/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円)
    ※前売券の販売はございません

  • イベント情報

    ■トークショー
    2月18日(土)11:00『マリアムと犬ども』上映後 
    ゲスト:佐野光子さん(アラブ映画研究者)

    2月18日(土)15:45『エグザイル 愛より強い旅』上映後
    ゲスト:渋谷哲也さん(ドイツ映画研究者/日本大学文理学部教授)

    2月19日(日)13:15『そこにとどまる人々』上映後
    ゲスト:佐野光子さん(アラブ映画研究者)

    2月20日(月)17:30『午後の五時』上映後
    ゲスト:ちゃるぱーささん(アフガニスタン音楽ユニット)、寺原太郎
    (インド音楽バーンスリー奏者)

    2月21日(火)11:00『太陽の男たち』上映後
    ゲスト:川上泰徳さん(ジャーナリスト)

    2月23日(木)12:45『ファーティマの詩(うた)』上映後
    ゲスト:森千香子さん(同志社大学社会学部教授)

    2月23日(木)15:30『太陽の男たち』上映後 
    ゲスト:岡真理さん(京都大学大学院人間・環境学研究科教授/アラブ文学者)

    2月24日(金)11:00『わたしはバンドゥビ』上映後 
    ゲスト・崔盛旭(チェ・ソンウク)さん(映画研究者)

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