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日の丸 寺山修司40年目の挑発

2月24日(金)公開

TBSドキュメンタリー史上最大の問題作が、半世紀の時を経て現代に蘇る

日の丸 寺山修司40年目の挑発

©TBSテレビ

1967年2月9日、劇作家の寺山修司が構成を担当し、街頭インタビューのみで構成されたドキュメンタリー番組『日の丸』がTBSで放送された。街ゆく人々に「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友達はいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」といった、人々が普段考えないような本質に迫る挑発的な質問を次々とインタビューしていく。放送直後から抗議が殺到、閣議でも偏向番組、日の丸への侮辱として問題視され、郵政省電波管理局がTBSを調査するに至った曰くつきの番組である。 「現代に同じ質問をしたら、果たして?」ドラマ制作部所属で、本作が初ドキュメンタリーとなる若干28歳のテレビディレクター佐井大紀は、2つの時代を対比させることにより「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようと、自ら街頭に立った。

1967年。それは日本で初めて建国記念の日が施行された年であり、東京オリンピックの3年後、また、その3年後の1970年には人類の進歩と調和をテーマに掲げた大阪万博を控える、高度経済成長真っ只中。2022年もまた、前年には東京オリンピックが開催され、3年後の2025年には大阪万博を控える。60年代当時、ベトナム戦争という不安が世界を覆っていた様に、近年はロシアによるウクライナ侵攻やコロナパンデミックの脅威が世界中を脅かし続けている。1967年と2022年。この偶然にも類似した2つの時代を舞台に、人々の胸の内にあった声を対比していく。
映し出されるのは、過去、そして現代の日本と日本人の姿。インタビュー対象者の生々しい表情と戸惑いは、いつしか観る者の戸惑いへと変わっていくー。 当時スマホはもちろん、PCさえも存在していない時代。テレビも白黒の映像からカラーの映像へと変わり、高度経済成長は高齢化社会へと変貌した。果たして、55年という決して短くない時間は日本と日本人にどのような変化をもたらしたのか、何が浮き彫りになるのか。

「国家」とは何かを追い続けていた寺山修司が、テレビという公共の電波を使った壮大な実験が『日の丸』だった。過激な詩的なるものは、虚構の空間を生み出し、一人一人の内面・真実を映し出していく。当時、寺山は何を考えていたのか?なっぜ、テレビのタブーに触れる『日の丸』を制作したのか。その意志は受け継がれ、今一度我々に問いかける。“日の丸”とは、“国家”とは、そして“日本”とは?予想外の急展開に我々はきりきり舞いしながら、テレビの限界に挑んだ人々の思いに触れ、激動の現代における自らの存在に気づかされるー。没後40年となる2023年、観る者を圧倒する「むき出し」のドキュメンタリーが誕生した。

監督:佐井大紀/出演:高木史子、村木眞寿美、金子怜史、安藤紘平、今野勉
2023年/日本/5.1ch/16:9/配給:KADOKAWA

  • 予告編

  • 公式サイト

    https://hinomaru-movie.com/

  • 公開日

  • 上映時間

    2月24日(金) 10:30/14:50/19:10/21:00
    2月25日(土) 11:10/13:20/15:35/18:10
    2月26日(日)~3月1日(水) 11:15/13:25/17:40/19:35
    3月2日(木)、3月3日(金) 11:10/13:25/15:45/17:40
    3月4日(土)~10日(金) 11:00/15:00/18:10
    3月11日(土) 10:55
    3月12日(日)~17日(金) 10:10/17:05
    3月18日(土) 12:30
    3月19日(日)~3月21日(火) 10:25
    3月22日(水) 11:30
    3月23日(木)、24日(金) 10:25

  • 入場料金

  • イベント情報

    ■舞台挨拶
    2月25日(土) 13:20の回上映後
    ゲスト:佐井大紀監督、安藤紘平さん(映画作家)、笹目浩之さん(テラヤマ・ワールド代表)

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