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どん底 4Kレストア版

5月20日(土)公開

どん底から出ていく男と、どん底へ落ちていく男の豪快な友情を、安宿に暮らす人々の群像のなかで描いた映画史上の名作。

どん底 4Kレストア版

© 1936 Gaumont

半地下の暗く粗末な木賃宿に暮らす泥棒のペーペルは、ギャンブル依存症で破産の淵に立つ男爵の家に忍び込み、自殺寸前の男爵に見つかってしまう。しかし、ふたりは意気投合して、夜を徹してカードゲームに打ち興じる。破産してすべてを失った男爵は、再びペーペルの前に現れ、同じ木賃宿で暮らし始める。
今の境遇を抜け出ることを夢見るペーペルは、がめつい家主コスティリョフの若い妻ワシリーサとの関係を清算し、彼女の妹ナターシャとの新生活を夢見ている。
嫉妬したワシリーサは、役所の監督官がナターシャに惚れていることを知り、一計を案じるが……

ロシア文学を代表するゴーリキーの名作戯曲を、ルノワールが脚色して映画化。当時存命だったゴーリキーの許諾を得て、原作にはない、ギャンブルに狂った男爵がすべてを失い、安宿に暮らすようになるまでのエピソードを付け加えた。男爵が全財産を失う前夜に、その邸宅に忍び込んだ、親の代からの泥棒ペーペル。ふたりが出会い、意気投合することにより、物語は階級を越えた人間同士の友情へと鮮やかな光彩を帯びていく。

ジャン・ルノワール監督の最良の作品は、どれも楽天的な人生観に貫かれている。一流監督となった出世作の『どん底』では(原作者の承諾を得ながら)泥棒と男爵の友情の物語に改変して、明るい希望に満ちた『どん底』を作り出した。世界がどんなに暗くとも、一筋の明かりを灯してくれるルノワールの映画こそ、芸術本来の醍醐味を味わわせてくれるものであるに違いない。

監督:ジャン・ルノワール/原作:マクシム・ゴーリキー/出演:ジャン・ギャバン、ルイ・ジューヴェ ほか
原題:LES BAS-FONDS/1936年/フランス/白黒/スタンダード/93分/DCP 配給:川崎市アートセンター(15周年記念事業)

  • 予告編

  • 公式サイト

    https://kac-cinema.jp/donzoko/

  • 公開日

    6月2日(金)まで

  • 上映時間

    5月20日(土)~26日(金) 13:00
    5月27日(土) 18:15
    5月28日(日)~6月2日(金) 17:35

  • 入場料金

    一般1,800円/大学・専門学校生1,400円/会員・シニア1,200円/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円)

  • イベント情報

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