香港の流れ者たち
1月12日(金)まで
濁流に身を任せて生きる“流れ者”たちが欲しいのは、
和解金か? 謝罪・尊厳か――!?
実際のホームレス荷物強制撤去事件から、
人間の尊厳を問いかける社会派ヒューマンドラマ!
Ⓒmm2 Studios Hong Kong
刑務所を出たファイは雑多で陰鬱な街・深水埗(シャムスイポー)へ戻り、ラムじいが出所祝いくれたクスリをさっそくキメる。ホームレス仲間の皿洗いのチャン、ヤク中のダイセン、車椅子のランたちと再会し、ファイはまた高架下で暮らしはじめる。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、ファイたちは家も身分証明書も何もかも失ってしまう。
新人ソーシャルワーカーのホーは彼らのために裁判を起こし、政府に賠償と謝罪を求める。ホーはベトナム難民であるラムじいの家族探しを手伝い、ファイの健康を心配し通院を勧め、彼らをできる限りサポートしていく。
ファイはハーモニカを吹く失語症の青年に出会い、「モク」という名前を与える。ファイはモクと新しい小屋を建て、心を通わせていく。建設中のマンションに忍び込み見下ろした夜の深水埗の街には、人々の生活の息吹が感じられるまばゆい光の海が広がっていた。ファイはモクに静かに語りかける。
「深水埗は貧乏人が住む町だ。高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」
中国本土の映画市場の急成長により低迷していた香港映画界だが、2022年に“香港アイデンティティ”を色濃く描きだした新人監督たちのデビュー作が軒並みヒットしたことで、地殻変動が起きた。日本でも“新世代の香港映画”は注目を集め、空前の香港映画ブームが巻き起こっている。
いま香港で新人映画監督の登竜門として注目を集めているのが、映画制作配給会社mm2の新人監督企画コンペ「mm2 Emerging Directors Program」だ。『香港の流れ者たち』は本企画の第一弾作品で、台湾アカデミー賞、香港アカデミー賞をはじめ、映画祭を席捲した。続く第二弾作品の『星くずの片隅で』(2022/ラム・サム監督)も香港アカデミー賞10部門ノミネートされ、次世代の香港映画を牽引する企画である。
“新世代の香港映画”の俊英ジュン・リー監督は、デビュー作『トレイシー』(2018)が、東京国際映画祭で上映された注目の監督。長編2作目となる本作は、ホームレスが強制退去させられた「通州街(トンジャウ)ホームレス荷物強制撤去事件」をベースに制作された。過酷な状況の中に、人間の「尊厳」、お互いを思いやる「心」を見出し、社会派ドラマという枠を超え、ヒューマンドラマとして深い余韻を引き出し、香港アカデミー賞11部門、台湾アカデミー賞12部門を席捲。日本では全国5都市にて開催された「香港映画祭2022」で動員数No.1になり、待望の劇場公開が決まった。
再開発のかげで追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題、薬物に蝕まれる貧困層など、様々な社会問題を浮き彫りにしていく意欲作!
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予告編
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公式サイト
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公開日
1月12日(金)まで
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上映時間
12月16日(土) 17:00
12月17日(日)~22日(金) 18:10
12月23日(土)~26日(火) 17:00
12月27日(水)、28日(木) 16:30
12月29日(金) 17:00
12月30日(土)、31日(日) 11:10
1月1日(月) 休館
1月2日(火) 休映
1月3日(水)~5日(金) 11:10
1月6日(土)~1月12日(金) 10:45 -
入場料金
一般1,800円/大学・専門学校生1,400円/会員・シニア1,200円/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円)
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イベント情報
■トークイベント
12月16日(土) 17:00の回上映後
ゲスト:ジュン・リー監督 ※オンライン登壇
12月23日(土) 17:00の回上映後
ゲスト:橋本恭子さん(日本社会事業大学非常勤講師/『私がホームレスだったころ』(白水社、2021)訳者)
□来場者プレゼント
ユーロスペース上映延長を記念して12月25日(月)より来場者の方に特製ポストカードプレゼント!
※数量限定、なくなり次第終了。