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広島を上演する

12月9日(土)公開

広島をめぐる4つの出来事
「第24回東京フィルメックス」特別招待作品(メイド・イン・ジャパン部門)に選ばれた、
演劇カンパニーがつくる初の映画作品

広島を上演する

Ⓒ一般社団法人マレビト

マレビトの会では、これまで「広島」「長崎」「福島」という未曾有の体験を経た都市の過去と現在を複眼的に捉え、演劇作品を制作してきた。今回発表する、映画『広島を上演する』に続き、同タイトルの演劇作品も今後創作する予定である。“被爆都市”として語られる大文字の歴史ではなく、そこに住まう人々の、歴史から零れ落ちる日常の時間を描くことで、広島の「いま」を捉え、核の脅威と映像の時代における「ドラマ」と「上演」の新たな可能性を探る。

今回、マレビトの会にプロジェクトメンバーとして劇作家や俳優の立場で参加してきた4人の映画監督が、それぞれ作品を創作する。映画作品『友達』『ジャンヌの声』を監督した遠藤幹大、映画『螺旋銀河』『王国(あるいはその家について)』を監督した草野なつか、映画『ユートピアサウンズ』『私は兵器』を監督した三間旭浩、映像作品『庭をめぐる対話』を監督し、北村明子ダンス作品『To Belong』では映像を制作した山田咲。

それぞれが広島に赴いて取材を行い、創作した映画作品を短編集として上映し、多角的に広島の現在を切り取る。現実とドラマ、上演と映画の関係を批判的に捉え直す類例のないプロジェクトが始まる。

「しるしのない窓へ」
監督:三間旭浩/出演:林ちゑ、寺田燿児、吉田萌
広島市内のアパートで生活を共にする真琴と純平。真琴はライターの仕事を、純平は服を作る仕事をしていた。生活の合間を縫って詩を書いていた真琴は、大学生の友人・宇美と、広島の川をモチーフに詩を共作し始める。川のように流れ、循環する「窓の中の生活」へ向けて。

「ヒロエさんと広島を上演する」
監督:山田咲/出演:川下ヒロエ
広島での原爆投下時に爆心地から約1kmで胎内被曝したヒロエが、自身として、自身の母として、そしてある人生の語り手としてカメラに向かって語る。2022年12月の撮影時に窓の外から見えた広島市街の風景は、「その後」を今日まで生きた彼らの視線と語りによって、幾層にも重なりを成して現れる。この映画は広島、長崎から被爆者が誰もいなくなる時代には、どのように語り継ぐ事ができるのか、語り聞く主体は誰なのかという問題意識から生まれた。原爆投下とその後のあらゆる被害は、現在の私たちの足元まで地続きで人間性への深い疑いの溝として続いている。自らを支える自然環境や関係性を破壊し統制することで、人間であることを保持してきた我々は、どのように見て、どう聞けば良いのか。最も若い被爆者とともに問う作品。

「夢の涯てまで」
監督:草野なつか/出演:さいとうよしみ、倉谷卓、住本尚子
アーティストのよしみさんは仕事の傍ら、家で絵を描いたり陶芸を作ったりして毎日を過ごしている。大切な存在を喪ったばかりである彼女は、その整理が未だつかないままでいた。「喪失」とどう向き合い折り合いをつけていくか模索をする女性と、彼女を取り巻く人々や出来事を淡々と描いた小品。

「それがどこであっても」
監督:遠藤幹大/出演:かのけん、西山真来、生実慧ほか
ある劇団が広島についての演劇作品のリハーサルを行っている。その作品で音響スタッフとして参加している難聴の青年が、上演の準備のために東京の郊外にフィールドレコーディングに向かう。さまざまな環境音を記録しながら散策しつづけるうちに、思いもよらない音を聞き取り始める。

監督:三間旭浩「しるしのない窓へ」、山田咲「ヒロエさんと広島を上演する」、草野なつか「夢の涯てまで」、遠藤幹大「それがどこであっても」
『広島を上演する』 日本/2023/133分 製作総指揮:松田正隆、製作:一般社団法人マレビト

  • 公式サイト

    http://www.marebito.org/film/

  • 公開日

    12月9日(土)から12月22日(金)まで

  • 上映時間

    12月9日(土)~12月14日(木) 20:00
    12月15日(金) 20:15
    12月16日(土) 19:30
    12月17日(日)~22日(金) 20:30

  • 入場料金

    一般1,800円/大学・専門学校生1,400円/会員・シニア1,200円/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円)

  • イベント情報

    12月9日(土) 20:00の回上映後 初日舞台挨拶
    ゲスト:三間旭浩監督(「しるしのない窓へ」)、遠藤幹大監督(「それがどこであっても」)

    12月10日(日) 20:00の回上映後 トーク
    ゲスト:佐々木敦さん、松田正隆さん(本作製作総指揮)

    12月14日(木) 20:00の回上映後 舞台挨拶
    ゲスト:山田咲監督(「ヒロエさんと広島を上演する」)

    12月15日(金) 20:15の回上映後 トーク
    ゲスト:諏訪敦彦さん、松田正隆さん(本作製作総指揮)

    12月17日(日) 20:30の回上映後 舞台挨拶
    ゲスト:三間旭浩監督(「しるしのない窓へ」)、林ちゑさん(「しるしのない窓へ」出演)

    12月18日(月) 20:30の回上映後 舞台挨拶
    ゲスト:遠藤幹大監督(「それがどこであっても」)、かのけんさん(「それがどこであっても」出演)

    12月20日(水) 20:30の回上映後 舞台挨拶
    ゲスト:三間旭浩監督(「しるしのない窓へ」)、草野なつか監督(「夢の涯てまで」)、遠藤幹大監督(「それがどこであっても」)、西山真来さん(「それがどこであっても」出演)

    12月21日(木) 20:30の回上映後 トーク
    ゲスト:宇野邦一さん、松田正隆さん(本作製作総指揮)

    12月22日(金) 20:30の回上映後 舞台挨拶
    ゲスト:三間旭浩監督(「しるしのない窓へ」)、林ちゑさん、寺田燿児さん、吉田萌さん(以上「しるしのない窓へ」出演)、草野なつか監督(「夢の涯てまで」)、さいとうよしみさん、住本尚子さん(以上「夢の涯てまで」出演)

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