イスラーム映画祭9
3/16(土)・17(日)・23(土)・24(日)特集上映
パレスチナ問題の原点“ナクバ(大災厄)”を描いた劇場未公開作を緊急上映
円安を乗り越え、今回は4日間で12作品!
全世界17億人―。
アジアからアフリカまで、国境、民族、言語を越えて広がるイスラーム文化圏を、映画で旅する4日間。
映画を楽しみながら、世界の多様性を知るために、第9回目の「イスラーム映画祭」を開催いたします。
■上映作品
『炎のアンダルシア』 監督:ユースフ・シャヒーン ※26年ぶりの劇場リバイバル
1997年/エジプト=フランス/135分/アラビア語、フランス語
12世紀末のアンダルス。カリフの次男アブダッラーは、イスラームの過激思想に取り込まれ歌や踊りを忌避するように。大法官であり哲学者のアヴェロエスにも、焚書の危機が迫りつつあった…。イスラーム支配下にあった中世のスペイン南部を舞台に描く、エンタメ要素満載の歴史大作です。
『私は今も、密かに煙草を吸っている』 監督:ライハーナ ※日本初公開
2016年/フランス=ギリシャ=アルジェリア/90分/アラビア語、フランス語
1995年、アルジェ。ハマムで働くファーティマが準備をしていると、妊娠した16歳のマリアムが避難を求めて駆け込んでくる…。アルジェリア内戦中フランスへ亡命した作者が自身の戯曲を映画化した人間ドラマです。ハマムのシーンはギリシャで女性スタッフのみで撮影されました。
※本作には性暴力を描いたシーンがございます。
『アユニ/私の目、愛しい人』 監督:ヤスミーン・フッダ ※日本初公開
2020年/シリア=イギリス/74分/アラビア語、英語、イタリア語
パオロ・ダル・オグリオ―2013年ラッカで強制失踪。バーセル・サファデイ―2015年ダマスカスで強制失踪。バーセルのパートナー、ヌーラとパオロの妹マチは、最愛の人の消息を今日も探している…。シリアのアサド政権下で続く強制失踪の被害者家族を追ったドキュメンタリーです。
※本作には暴力的な映像が含まれています。
『ファルハ』 監督:ダリン・J・サラム ※上映素材提供:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
2021年/ヨルダン=スウェーデン=サウジアラビア/92分/アラビア語、ヘブライ語、英語
1948年。パレスチナのある村に暮らすファルハは、都会の学校へ進学したいと望んでいた。父に願いを聞き入れられ、よろこぶファルハだったが…。イスラエルによるパレスチナの民族浄化、“ナクバ(アラビア語で“大災厄”)”を目撃する少女の物語です。
『戦禍の下で』 監督:フィリップ・アラクティンジ ※上映素材提供:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
2007年/フランス=レバノン=イギリス/93分/アラビア語、英語、フランス語
戦争が停止され、戻ってきたゼイナ。彼女はタクシー運転手のトニーを雇い、行方不明の妹と息子を探し始める。レバノン南部は瓦礫の山と化していた…。2006年のイスラエルによる第二次レバノン侵攻後、1年足らずの間に撮影された、ドキュメンタリーと見紛う戦禍のドラマです。
『憎しみ』 監督:マチュー・カソヴィッツ ※28年ぶりの劇場リバイバル
1995年/フランス/98分/フランス語
ユダヤ系のヴィンス、アラブ系のサイード、サブサハラ・アフリカ系のユベール。「暴動」の翌日、警官が紛失した拳銃をヴィンスが拾い、3人は思わぬ事態に…。フランスの都市郊外(バンリュー)に住む移民ルーツの若者の実態を描き、公開当時一大センセーション巻き起こした作品です。
『ハンズ・アップ!』 監督:ロマン・グーピル
2010年/フランス/92分/フランス語
2067年、ミラナは60年前の出来事を語る。チェチェンで生まれパリに住む小学生のミラナは、強制送還の恐怖に怯えていた。彼女の友だちたちは、みんなで共に生きられるよう抵抗を試みる…。強制送還されそうなチェチェン人少女を、同級生たちが守ろうとするレジスタンス映画です。
『辛口ソースのハンス一丁』 監督:ブケット・アラクシュ
2013年/ドイツ/92分/ドイツ語、トルコ語
ドイツ人の彼氏と別れた、トルコ系移民二世のハティジェ。妹の妊娠が発覚し、彼女が結婚するためには自分が先に結婚しなければならない。ハティジェは偽りの婚約者探しを始める…。親の祖国と生まれ育った国の価値観に挟まれながら、幸せを探す移民二世を主人公にしたコメディです。
『私が女になった日』 監督:マルズィエ・メシュキニ ※22年ぶりの劇場リバイバル
2000年/イラン/74分/ペルシャ語
ハッワはチャードルを初めてまとう日を迎える。離婚を望むアフーは自転車レースに挑むが、夫が馬で追いかけてくる。年老いたフーラは、かつて夢見た結婚式を叶えるべく買い物をするが…。美しいキシュ島を舞台に、イランのイスラーム社会における女性の置かれた状況を描くオムニバス作品です。
『メークアップ・アーティスト』 監督:ジャファール・ナジャフィ ※上映素材提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
2021年/イラン/76分/ペルシャ語
メークアップの勉強をするため、大学へ通うことを認めるという条件で結婚したミーナ。だが夫は、家事や育児に専念できないなら新しい妻を探すと言う…。自分の夢を叶えるため、夫や義母と丁々発止の日々を繰り広げる、バフティヤーリー族の女性を追ったドキュメンタリーです。
『スターリンへの贈り物』 監督:ルスタム・アブドゥラシェフ
2008年/カザフスタン=ロシア=ポーランド=イスラエル/95分/ロシア語、カザフ語、ヘブライ語
1949年。カザフの鉄道員カシムは、列車で送られてきたユダヤ人の死体の中から幼い少年を助け、育てることに。村の近くでは、スターリン70歳を祝してある“贈り物”が用意されていた…。強制移住政策によって中央アジアに送られた人々が共生する姿を叙情味豊かに描いた作品です。
※本作には性暴力を描いたシーンがございます。
『ハーミド〜カシミールの少年』 監督:エージャーズ・ハーン
2018年/インド/108分/ウルドゥー語、ヒンディー語
父親が失踪し、母親と2人で暮らすハーミドは、ある日“786”という数字が神を示すものであると知る。父を返してもらえるよう、ハーミドは神様の番号に電話をかけるが…。その帰属をめぐり1947年の分離独立以降、印パ対立の原因となっているカシミールを舞台にした物語です。
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公式サイト
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公開日
3/16(土)・17(日)・23(土)・24(日)特集上映
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上映時間
3月16日(土) 10:00『アユニ/私の目、愛しい人』/12:35『私は今も、密かに煙草を吸っている』/14:40『ハーミド〜カシミールの少年』/17:45『ハンズ・アップ!』/19:40『辛口ソースのハンス一丁
3月17日(日) 10:00『スターリンへの贈り物』/12:00『炎のアンダルシア』/14:45『ファルハ』/17:50『戦禍の下で』/20:45『私が女になった日』
3月23日(土) 10:00『辛口ソースのハンス一丁』/12:00『憎しみ』/15:00『ハンズ・アップ!』/17:50『アユニ/私の目、愛しい人』/20:30『戦禍の下で』
3月24日(日) 10:00『私が女になった日』/12:35『メークアップ・アーティスト』/15:05『炎のアンダルシア』/18:40『スターリンへの贈り物』/20:40『私は今も、密かに煙草を吸っている』 -
入場料金
一般1700円/会員・シニア・大学・専門学校生以下1300円/障碍(がい)のある方1000円(付添いお一人様まで適用)
※前売券の販売はございません -
イベント情報
■トークセッション
3月16日(土) 10:00『アユニ/私の目、愛しい人』上映後
ゲスト:山崎やよいさん(アラビア語通訳/「イブラ・ワ・ハイト」発起人/NPO法人Stand with Syria Japan監事)
3月16日(土) 14:40『ハーミド〜カシミールの少年』上映後
ゲスト:安宅直子さん(南インド映画研究者)
3月16日(土) 19:40『辛口ソースのハンス一丁』上映後
ゲスト:渋谷哲也さん(ドイツ映画研究者/日本大学文理学部教授)
3月17日(日) 14:45『ファルハ』上映後
ゲスト:岡真理さん(京都大学名誉教授、早稲田大学大学院文学研究科教授/アラブ文学者)
3月17日(日) 17:50『戦禍の下で』上映後
ゲスト:佐野光子さん(アラブ映画研究者)
3月23日(土) 12:00『憎しみ』上映後
ゲスト:陣野俊史さん(フランス文化研究者/『魂の声をあげる 現代史としてのラップ・フランセ』著者)
3月23日(土) 15:00『ハンズ・アップ!』上映後
ゲスト:森千香子さん(同志社大学社会学部教授)
3月23日(土) 17:50『アユニ/私の目、愛しい人』上映後
ゲスト:黒井文太郎さん(軍事ジャーナリスト)
3月24日(日) 10:00『私が女になった日』上映後
ゲスト・村山木乃実さん(日本学術振興会特別研究員PD(東京大学))
3月24日(日) 12:35『メークアップ・アーティスト』上映後
ゲスト・村山木乃実さん(日本学術振興会特別研究員PD(東京大学))
3月24日(日) 15:05『炎のアンダルシア』上映後
ゲスト・金子冬実さん(東京外国語大学非常勤講師)