光年のかなた 4K レストア
7月19日(土)公開
「いざ大空へ」——銀河の果てまで飛翔する無垢な魂。
アイルランドの美しい大地を舞台に描かれる老人と青年の不思議な交流。
英国名優トレヴァー・ハワードを主演に迎えた傑作ファンタジー。

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☆1981年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞
アイルランドの田舎を舞台に、青年ジョナスと大空を夢見る風変わりな老人の交流をファンタジックに描いたアラン・タネールの長編第7 作。スイスの作家ダニエル・オディエの小説「野性の道」(78)を原作としたタネール初の英語作品。〈ここではないどこか〉を希求する老人と、彼に心惹かれ手助けをする青年。タネールはこれまでも社会から逸脱し、自身の主義のために世界に抗う人物たちを愛おしく、そして時に鋭い視線で描いてきた。この眼差しは小説の映画化の本作においても、作品内にしっかりと「タネール映画」の刻印が刻みこまれている。自身もインタビューで「この物語の登場人物は私のものだと自覚した」と語っている。一方でファンタジー要素を多く含んだ世界観は、ヌーヴェルヴァーグの遺伝子を受け継いだ以前の作品とは異質の感触を持ち、よりエンタメ性の高い作品となっている。時に「アメリカン・ニューシネマ的」とも評される。撮影を担当したのはジャン=ジャック・ベネックス監督の『ベディ・ブルー』(86)で知られる名キャメラマン、ジャン=フランソワ・ロバン。荒涼かつ湿潤なアイルランドの原風景を見事にフィルムに収め、観客を圧倒する。主演はデイヴィッド・リーン監督の『逢びき』(45)やキャロル・リード監督『第三の男』(49)などで知られる名優トレヴァー・ハワード。変わり者の老人ヨシュカをエキセントリックかつチャーミングに演じる。1981 年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞するなど高い評価を獲得した。2021 年8 月にリマスターされた4Kレストア版、日本初上映。 ※当館では2K上映
【アラン・タネールについて・・・】
ダニエル・シュミット、フレディ・M・ムーラーと並びスイス映画界を代表する映画作家アラン・タネール。
1960 年代末から70 年代にかけて、多言語が交錯し多様な文化を有するスイスに「ヌーヴォー・シネマ・スイス」と呼ばれる新たな映画の潮流をもたらし、ヨーロッパをはじめ世界の映画史の変革をもたらした。ゴダールやトリュフォーなど仏ヌーヴェル・ヴァーグ作家と同世代のタネールは、ロンドンで「ブリティッシュ・ニューウェーブ」、そしてパリで「ヌーヴェル・ヴァーグ」など新時代の映画運動に強烈な刺激を受け、映画製作を開始。初長編作『どうなってもシャルル』(69)で世界的な注目を集めるようになる。反体制的な視点を盛り込みながら、現代を生きる人の心の空虚さや精神の揺らぎといった個の内面を表出させる彼の作品は、世界中で共感を持って受け入れられ、後に続くスイスの作家たちの先鞭となった。1981 年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した『光年のかなた』(81)はタネールの代表作となり、日本では1985 年に「アラン・タネール映画祭」が開催され、評論家の蓮實重彦、梅本洋一らの手によって積極的に紹介された。『白い町で』(83)はシネセゾン配給により1986 年に全国劇場公開され、ミニシアター文化の草創期を担う作家として大きな人気を博した。
主演:トレヴァー・ハワード ミック・フォード
1981年/スイス=フランス/カラー/108分/16:9/ DCP
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予告編
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公式サイト
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公開日
7月19日(土)
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上映時間
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入場料金
一般2,000円/会員1,300円※/大学・専門学生・シニア1,400円
火曜サービスデイ1,300円/1日サービスデイ1,100円
※年会費1,000円(30歳未満は500円) -
前売券情報
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イベント情報